大阪の中心部と世界遺産にも登録された高野山の麓を結ぶ南海電鉄高野線。
2010年からは「天空」という観光列車が橋本駅から終点の極楽橋駅まで運行。
「天空」の名の通り、沿線はまさに天国へと通じるかのような雰囲気を醸し出している。
極楽橋駅へと通じる勾配区間。山肌にひっそりと佇む駅舎が見えてきた。
駅から谷底を見渡すと、周囲に僅かに住宅が見えるが、人影はまったく見られない。
やがて入線して来た下り列車から降りる乗客も、一人もいなかった。
こうして時々やって来る列車の音以外は、辺りは静まりかえっていた。
折しも、この日の天候は雨。山肌からは霧が立ち込め、辺りを包んでいく。
霧山の中腹に佇む駅舎は、まるで天国へと通じる入口のようだった。
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